VIZION Luciferをレビュー。

コーラスペダルは、モジュレーションの速さと深さを設定すると言うシンプルな設計ではありますが、楽器を選ぶ事無く使用出来る多機能なコーラスペダルであるVizion Luciferをご紹介します。

外観

写真右側よりShort Delay、Analog Chorus、HighCut Filter、Dry/Wet Switch、Harmonics Enhancerとなっていて、非常に多機能なペダルです。

Lucifer(ルシファー)は、エフェクター郡の後列に繋がれることの多いChorusにサウンドの劣化を補正するHarmonics Enhancerを搭載し、音質劣化を防ぐ事が出来ます。

このHarmonics Enhancerを使用する事で、低音域と高音域の倍音成分をコントロール出来るので、エレキギターは勿論の事、今までシャリシャリな音になりがちであったアコースティックやフルアコ、セミアコにも対応しています。

さらに、Chorus使用時のノイズを取り除くためのフィルターもアコースティック用とエレクトリック用と選択出来るので、アコースティックの煌びやかな高音もカットされる事は無く、低域が割れることの無い綺麗な音を得る事が出来ます。

1相式のAnalog ChorusですがPre Delayを使うことにより、サウンドに豪華さと図太さをプラスすることが可能です。各機能ごとにON/OFF出来るので、多彩なサウンドバリエーションを堪能する事が出来るペダルです。

ツマミ

筐体右側に位置するShort Delayについてですが、最大で60msecのショートディレイです。

ツマミは1つのみで5msec~60msecまでのディレイタイムを決める事が出来ます。

単独で音に厚みを加えたり、コーラスのニュアンスを変える事が出来、ほんの少し遅らる様にツマミをセットしてコーラスを加えると濁りの無い綺麗なコーラスサウンドを得る事が出来ます。

真ん中にあるのはコーラスになります。

アナログコーラスの特徴とも言えるクリアーで暖かみのある音が得られます。

ツマミはSPEED、DEPTH、LEVELの3つで構成され、それぞれモジュレーションの速さ、深さ、音量調節となります。

フットスイッチの上にSPEED LEDがありますが、モジュレーションの速さをLEDの点滅で表示されます。

コーラス部の上にピンスイッチで操作するHigh Cut Filterがあります。

文字通り、高域をカットするフィルターになります。

エレキギターではコーラスの高域成分が高過ぎると耳障りな事がありますので、ピンスイッチを右側にするとHigh Cut Filterがオンとなります。

アコースティックギターでは、フィルターをオンにしてしまうと倍音成分が失われてしまうので、フィルターの使用はお勧めしません。

フィルターをオフした場合、高域に含まれているノイズも一緒に出力されてしまうので、ノイズが気になる場合はオンにした方が良いでしょう。

高域をカットする事で、コーラス効果も少し失われてしまうので自分の好みに合わせてオン・オフすれば良いでしょう。

Harmonics Enhancerの上にDry/Wet Switchがあります。

筐体左側にあるHarmonics Enhancerをコーラスだけに効かせるか、コーラスと原音、両方に効かせるかを決めます。

Dryを選択すると、コーラスと原音がミックスされたサウンドを出力するので効果が最も活かされます。

Wetではコーラスサウンドだけを送る様になりますので、原音を活かしたままでコーラスサウンドのみを微調整する事が出来ます。

最後に左側にあるharmonics Enhancerですが、倍音成分を加えますので音質が補正され音が太くなります。

低倍音を作り出すLow回路と高倍音を作り出すHigh回路が組み込まれていますので、イコライザーの様な音質補正とは違い、原音が加工される事は無く低域と高域それぞれの音質補正が出来ます。

ツマミは4つで構成され、Rangeが2つ、LowとHighとなり低域と高域の周波数設定と低域と高域の強さを設定します。

現在は生産されていないペダルですが、今までのコーラスペダルには無い機能が満載なので、試してみるのも良いのではないでしょうか。