ギターを弾き始めた当時からエフェクターに興味を持ち始め、把握し切れないほど沢山存在する歪み系エフェクター。
ハンドメイドで製作されている物も数多く、その中でもTS808の回路をベースに作られたとされるFULLTONE(フルトーン)のFULLDRIVE(フルドライブ)についてお話します。
市場に登場してから20年以上なる歴史あるエフェクターブランドであり、歪み系がメインでその他にコーラスやトレモロもリリースしています。
フルトーンのラインナップの中で最も人気があるのは、ブーストスイッチも付いている≪FULLDRIVE2≫になるのではないでしょうか。
ツマミは左から、VOLUME、TONE、OVERDRIVE、BOOSTとなっておりこのペダルは筐体のカラーも含め、様々なバージョンが存在しています。
①
①のバージョンは、VOLUMEの所にコンプカットモードが内蔵されていて、ツマミを引っ張るとコンプカットオフ、押すとコンプが掛かります。
②
②のバージョンは、①のバージョンにあるコンプカットが無く、限定100台で発売されたTR-100と言う筐体で、カラーは写真では分かりにくいですがオレンジ色でレアな1品です。
ブーストスイッチを踏むと、程よくミドルレンジが追加され音が太くなりますが、現代のブースターの様な音量を思いっきり上げる感じではないので、弾いていて心地良く現行のモデルでは味わう事は難しいと言えます。
③
③のバージョンは、TONEとOVERDRIVEの間に、常識化されている3点スイッチが追加された事が大きいです。
スイッチを上にする事で、コンプカットモード、真ん中にするとFM(Flat-Mid)モード、下にするとVintageモードになります。
コンプカットモードは、過去のモデルにてノブを引っ張る事で得られるサウンドと同じで、わずかに中域を持ち上がらせ、音量をUPしたような感じになります。
FM(Flat-Mid)モードに切り替えると、ドライブサウンドには欠かせないミドルレンジを調整し、心地よさのある温かく艶のあるドライブを得ることが可能になります。
Vintageモードに切り替えると、高音域の柔らかさと低中音域が少し膨らむ様なニュアンスを感じ、まさに皆が好むVintageドライブサウンドと言えるでしょう。
この3モードを巧みに使い分ける事でドライブキャラクターが大きく変化させる事が可能で、様々なジャンルのプレイヤーに好まれるドライブペダルとなります。
④
こちらのバージョンは、FULLDRIVE誕生から10年を記念して限定販売されたアニバーサリーモデル。
コンプカット、FM(Flat-Mid)、Vintageの3点スイッチは標準装備され、新たにMosfetとStandardと言う2つのスイッチが追加されました。
StandardにセットするとFULLDRIVEサウンドの基本である、「流れるようにスムーズでミドルレンジにコシのあるドライブサウンド」を作る事が可能です。
Mosfetにセットすると、このモデルの名の通り、Mosfetをクリッピング回路に使用し、真空管が持っている不安定な動作によって生み出される、温かさを持ったドライブサウンドを簡単に手に入れる事が出来ます。 Standardに比べ音圧が上がりハリが出ており、勢いのあるサウンドを作り出せます。
⑤
こちらのバージョンは、FULLDRIVE誕生から20年を記念して限定販売されたアニバーサリーモデル。
今までのモデルと違うのは、3点スイッチから2点スイッチに変わった事が上げられ、90’sモードとWIDE ASYM(wide asymmetrical clipping)になりました。
90’sはスムーズな立ち上がりと独特なミッドの押し出しを持った1990年代のFULLDRIVE2サウンドを作り出す事が出来ます。
新しく作られたWIDE ASYMは、90’sモードのサウンドに対し、倍音を追加し音のレンジを広げアンプライクなドライブサウンドに切り替わります。
更にコンプカットモードも搭載し、ピッキングニュアンスに対しダイレクトに反応する様になりました。
ブーストも独立し、「OD⇒BOOST」と「BOOST⇒OD」と言う2つのモードになり、それは単体で使用出来る事を意味しています。
後段(OD→BOOST)を選択した場合にはブースト回路はFULL-DRIVE 3のボリュームブーストとして機能し、前段(BOOST→OD)を選択した場合にはFULL-DRIVE 2と同様にオーバードライブ回路へのインプットレベルブーストとして機能します。
新しく追加された「DYNAMICS」トリマーにより、ブースト時にゲルマニウムダイオードによるリミッター回路が装備され、設定ゼロでフルレンジブースト、50%でミドルブースト、100%ではレベルもレンジも落ちてしまいますが、心地よいローファイなトーンをブースト時に得られます。
更に9V~18Vの入力に対応し、18Vで使用すると凄く音のレンジが広くなった様な印象を受けます。
筐体の大きさも従来のモデルよりおよそ20%ダウンサイジングしています。
進化の止まらないFULLDRIVEを1度試してみるのも良いのではないでしょうか。
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